スタッフの取材日記

京都の取材日記 12月号

京の師走「錦市場」

京の師走「錦市場」

錦市場のもととなる「錦小路」の誕生は、江戸時代にさかのぼる。「具足小路」と呼ばれた平安時代を合わせると1200年以上もの歴史がある。平安時代の末には人々が集まる地域となり、江戸時代には、魚市・魚の棚ができ、次いで青物市ができた。海に接していない京都市内であるがゆえ、素材の美味しさを保つために、魚であれば干したり、塩漬けにしたりと様々な工夫がされた。その工夫が現在では錦市場の魅力となり、多くの人々をひきつけている。

地下水が錦市場の真下を流れているため、川魚は鮮度の良いままの状態が保たれている。野菜も名水に恵まれているため、栄養価も高く優れた「京野菜」を筆頭に、いろいろな野菜が並べられている。
それは遠い昔から現在まで変わらぬ錦市場の姿であり、全国各地のどんな素材でも揃い、新鮮なままの状態で保たれていることが錦市場の自慢の一つでもある。
錦市場は、一軒一軒得意な商品がある。買い物客が一軒ごと買いまわり、ほしい物を買い揃えることが錦市場の特徴である。それを錦市場の買い物客は昔から理解して楽しんでいる。鯛ならこの店、うなぎならこの店、かまぼこならこの店、といった具合だ。現代のスーパーマーケットのように一箇所ですべてを揃えるのとは訳が違う。お店は、川魚店や乾物店、鮮魚店や蒲鉾店、青果店や漬物店、宇治茶の店や湯葉の店などなど。
そして、その食材を存分に発揮させる道具屋が隣接するのも錦市場の特徴である。
ゆっくり錦を歩けば、一軒ごとにそれぞれの店の個性をじっくり垣間見ることができ、非常に楽しい。さらに錦市場を満喫するには、まずそれぞれのお店の人々と親しくなることが必要である。観光で錦市場を訪れたとしても、お店の人と仲良くなり、気に入ってもらえると、普段は表には並べられていない、とっておきの商品に出会えることがあるかも知れない。そうなることが出来たら、京都の旬の味をもっと堪能できることは間違いない。

こうした歴史や個性を知りながら錦市場を楽しめば、京都の奥深さを味わうことができる。京都人より京都をよく知ることで、もっと京都が好きになってもらえるのではないかと思う。

師走に入り、紅葉の最終となる月の前半と年末の忙しさのちょうど間、中旬ごろが錦市場らしさをゆっくり味わうには、ちょうど良い時期ではないだろうか。ぜひ一度錦市場へ足を伸ばして、京都の台所を覗いてみてはいかがだろうか?


取材協力:京都錦市場商店街振興組合

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