スタッフの取材日記

京都の取材日記 10月号

剣鉾 〜祇園祭・山鉾の原形〜

剣鉾 〜祇園祭・山鉾の原形〜

7月の京都を彩る一大行事、祇園祭。
「貞観11年(869年)、神泉苑に66本の矛を建て、疫病退散の祈願をした祇園御霊会」がその原点です。
およそ1,100年も前のこの時、疫神を鎮める役割を担った「66本の矛」。
当時の矛の姿を伝える記録は残っていませんが、室町時代の初期には、現在の剣鉾に似た姿が描かれていることから、「剣鉾は山鉾の原形」とされています。
「矛」が次第に姿を変え、絢爛豪華に装飾されていったのが祇園祭の山鉾である一方、剣鉾は昔から変わらない姿を留めているのです。
剣鉾は京都を中心に数百基が現存していますが、「鉾差し」を見られる祭りは十箇所余りしかありません。
鉾差しとは、長さ6〜7m、重さ30〜40kgもある剣鉾を、腰につけた差し革で支えながら、バランスを取って練り歩く伝統技能。
歩くステップにあわせて、鉾上部に付けられた鈴が鳴ります。一定のリズムで美しい音を鳴らせるまでには、毎週のように練習を重ねた差し手でも3年前後はかかります。
清らかな鈴の音、きらきらと輝きながら撓る剣鉾、力強く華麗にステップを踏む「差し手」の技 ―― それらがすべて一体となった凛々しい姿に、沿道の観覧客からは歓声と拍手が湧き起こります。


10月は下記の祭りで、剣鉾がそれぞれの氏子町内を巡行します。
美しい秋空の下、受け継がれゆく伝統技能を見に出かけてみませんか?

5日【平岡八幡宮】
例祭(4基)
12日【北白川天神宮】
大祭(基数未定)
12日【吉田神社】
今宮社の神幸祭(2〜3基) 
12日【春日大社】
春日祭(4〜5基)
13日【粟田神社】
大祭(6基)
22日【鞍馬の火祭】(※注)

鉾差しの妙技をさらに堪能するには、見るときのポイントがいくつかあります。
差し手によって異なる鈴の音色に耳を澄ませたり、芸術性豊かな鉾かざりや長柄の細工に目をこらしたり、チームを組んで鉾を上げ下ろしする様子を観察したりするのも一興。
剣鉾にすっかり魅せられて、見るだけで飽き足らなくなってしまったら・・・新メンバーを募集している鉾差しの団体に入会することもできます。
あなたも、千年の歴史を受け継ぐひとりになることができるかもしれませんね。


* 祭のスケジュールや剣鉾の基数は、神社・関係者の都合により変更の可能性があります。
* 雨天の場合、「鉾差し」は中止されます。(小雨の場合は状況による)  
*(※注)鞍馬の火祭での鉾差しは、両脇から棒で剣鉾を支えるため、差し方の形態が他とは異なります。

 
【粟田神社の大祭】の詳細ページはコチラ
取材協力:粟田神社剣鉾奉賛会
写真:2007年粟田神社の大祭より

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