スタッフの取材日記

京都の取材日記 8月号

宇治川の鵜飼

宇治川の鵜飼

日中の蒸し暑さがやわらぐ夕暮れ時――、宇治川のほとりでは鵜飼の準備が始まります。

カゴから取り出した鵜の首に縄を結わえるのは、風折烏帽子(フリガナ:かざおれえぼし)と腰蓑をつけた鵜匠(フリガナ:うしょう)。
「締め具合がゆるいと鵜が魚を飲み込んでしまいますし、きつく締め過ぎると息ができなくなってしまいます」と説明するのは鵜匠のひとり、澤木万理子さんです。
27歳の時に鵜飼の世界に飛び込み、図らずも女性鵜匠として注目を浴びるようになってから7年。
今では鵜の扱いにも慣れ、宇治川の鵜飼を盛り立て、楽しんでもらうことに熱意をそそぐ女性です。
観覧客に鵜をお披露目しながら説明を終えると、鵜船の篝火を焚き、いよいよ鵜飼の始まりです!

鵜匠は、勢い良く水に滑り出す6羽の鵜たちの動きを目で追い、縄を巧みにあやつります。
水にもぐった鵜が鮎を採って飲み込んだら、船へ引き上げてその獲物を吐かせます。
野性を露わにして魚を追う鵜たちの動きを把握し、一瞬の判断で鵜をあやつる鵜匠の技は、見ごたえ満点の伝統芸。
宇治川の鵜飼では、観覧船から鵜に手が届きそうなほどに近い距離で観ることができるため、臨場感をたっぷり楽しむことができます。

篝火に照らされたこの幻想的な光景は、古くは平安時代から繰り広げられた世界。
時代の波の中で途絶えてしまった時期を経ながらも、宇治川の鵜飼は現在、夏の風物詩として多くの人に親しまれるようになりました。
川面に吹く風に頬を撫でられ、巧みな技に魅入っていると、まるで時間の流れを忘れてしまうかのような感覚をおぼえます。

豊かな自然に囲まれた宇治には、この他にも見所が数多くあります。
宇治平等院、源氏物語ゆかりの寺社やミュージアム、宇治茶の老舗が立ち並ぶ商店街・・・、本格的な抹茶スイーツも人気です。
京都中心部から少し足を延ばし、濃密な歴史文化を五感で味わう休日を過ごしてみませんか?


取材協力:宇治市観光協会

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