
7月の京都。夕暮れ時の山鉾町界隈では、「コンチキチン・・・コンチキチン・・・」と祇園囃子が聞こえ始めます。
独特な音色に心騒ぐのは、千年以上にも渡って祇園祭を受け継いできた人々の想いが込められているからでしょうか。
そんな祇園囃子に誘われて、暮れなずむ京都の街を散策しませんか?
宵山の期間中以外でも、祇園囃子が演奏される場面は数多くあります。
【その一、二階囃子(にかいばやし)】 (日時:7月1日〜8日、夜7〜9時 ※各町によって異なります。)
祇園祭で巡行する全山鉾32基のうち、囃子方が乗るのは12基。7月上旬、それらの山鉾町では「二階囃子」が演奏されます。
1年間練習してきた祇園囃子を完成させるための最終稽古ですから、演奏にも熱が入ります!大人も子供も、浴衣姿で額に汗を浮かべながら打ち込みます。
【その二、日和神楽(ひよりかぐら)】 (日時:7月16日、夜10時〜)
山鉾巡行の前夜、翌日の晴天を願って、それぞれの囃子方が御旅所(四条高島屋の西)を入れ替わりで訪れます。
台車に鉦と太鼓をつけて、祇園囃子を奏でながら町内から御旅所の間を往復する様子は、赤い提灯に照らしだされて風情たっぷり。
御旅所の前で待っていれば、各町の囃子を聞き比べることもできます。
長刀鉾だけは八坂神社にも詣でますので、八坂神社や祇園の界隈で奉納囃子を聞くこともできます。
【その三、渡り囃子と戻り囃子】 (日時:7月17日、辻回しの各場面にて)
祇園囃子は、「渡り囃子」と「戻り囃子」に大別されます。
山鉾巡行の当日、四条河原町の辻回し以前に演奏されるのは、単調でゆったりしたリズムの「渡り囃子」。八坂神社の神様に奉納するための囃子です。
一方、辻回しの後に演奏される賑やかな「戻り囃子」は、帰り道をテンポよく後押しする囃子。
この「渡り」から「戻り」への切り替えが、辻回しと息の合ったタイミングでなされるのが理想的とされており、音頭取りの腕の見せ所!
「辻回しが終わっても渡り囃子をしていたら、そりゃぁもう格好悪いですわ」ということですから、囃子方が密かに気を張り詰めている場面なのです。
辻回しと囃子の呼吸がうまく合うかどうか・・・、観覧客も一緒になって一喜一憂するのが、通な楽しみ方のひとつ。
ちなみに、四条河原町以外の辻回しでもリズムの切り替えがあり、聞き分けることができます。
【その四、御旅所(おたびしょ)の奉納囃子】 (日時:7月18〜23日、夜7〜8時)
御旅所に3基の神輿が安置される間、奉納囃子が毎晩演奏されます。
人通りの多い四条寺町、響き渡る澄んだ音色に、行き交う人々は思わず足をとめて聞き入ります。
取材協力/月鉾保存会