
「都をどりは〜 よ〜いやぁさ〜」のかけ声と共に、艶やかな芸舞妓が左右の花道から現れると、観客はその美しさに吸い込まれるように魅入ります。
1872年に始まって以来、戦時中を除くほぼ毎年京都に春の訪れを告げてきた「都をどり」。桜と艶を競うような芸舞妓の舞姿で、祇園が最も華やぐ季節となります。
第136回目となる2008年の演目は、源氏物語を主題とした「都今源氏面影」。4月1日〜4月30日の1ヶ月間にわたり1日四回公演され、総勢114名の芸舞妓が華麗な舞を披露します。
第1景…置歌 〜長唄〜
第2景…魯山寺初参 〜長唄〜
第3景…於北山若紫 〜別踊・長唄〜
第4景…五条辺夕顔棚 〜別踊・長唄〜
第5景…葵上六条御息 〜別踊・浄瑠璃〜
第6景…小野郷紅葉 〜長唄〜
第7景…浮舟偲京雪宵 〜別踊・長唄〜
第8景…夢浮橋京夢 〜長唄〜
源氏物語で繰り広げられる人間模様が、全八景から構成される京都各地の場面設定で表現されます。
源氏に見出された時期の若紫が北山で暮らす様子(第3景)、浮舟の哀しみを映し出す宇治の雪景色(第7景)など、季節感と情緒あふれる場面の数々。第5景では正妻・葵上と六条御息所が争う舞が、女性の哀しみや怒りをどのように表現するのかが見所です。
また、「都をどり」の最大の特徴である「総踊形式」も見所のひとつ。第一景と第八景で披露される踊り手たちの一糸乱れぬ舞姿は、思わずため息が漏れるような美しさです。その他、唄、三味線・囃子などの楽曲、趣向を凝らした演出など、五感すべてで味わう魅力が盛りだくさんの舞台です。一時間の公演時間はあっという間に過ぎ去りますが、その華やかさはいつまでも心に焼きつく光景となるでしょう。
京都を代表する春の行事である「都をどり」、ぜひ一度ご覧になってはいかがでしょうか。