スタッフの取材日記

神戸の取材日記 4月号

風見鶏の館

風見鶏の館

この建物の設計に当たったのはドイツ人建築家ゲオルグ・デ・ラランデ氏(G.de Lalande)で、明治30年代後半から大正初期にかけて日本で活躍した有能な建築家でした。昭和58年12月より昭和60年3月にかけて本格的な保存修理が行われ、復元できるところは可能な限り元の姿に戻されています。
この館はかつて神戸に住んでいた、ドイツ人貿易商ゴッドフリート・トーマス氏(G.Thomas)の自邸として建てられました。北野、山本地区に現存する異人館の中で、レンガ造りの建物としては唯一のもので、エンタシスや柱頭飾りをもつ柱がある御影石造りの玄関ポーチ、スレート茸きの三角屋根などがあります。更に2階部分のハーフ・ティンバー(木骨構造)など、他の異人館とは異なった重厚な雰囲気を醸し出しています。
また尖塔の上に立つ風見鶏はよく知られ、今では北野町の象徴として欠かせない存在になっています。風見鶏はその名の通り風向きを知らせる役目を持っていますが、雄鳥は警戒心が強いことから魔除けの意味や、キリスト教の教勢を発展させる効果があるといわれてきました。
大正3年までトーマス氏とクリステル夫人、ひとり娘のエルザさんの一家が住んでいたこの館は、1階に応接間、居間、食堂、書斎があり、2階は夫妻の寝室、子供部屋、客室寝室、朝食の間などがあります。室内の意匠は部屋によって変えられていますが、全体的にドイツの伝統様式を取り入れながら、19世紀末から20世紀初頭にかけての芸術運動(アールヌーヴォー)の動きを感じさせるものがあります。1階各入口扉に付いている把手飾り、応接間のシャンデリア、書斎腰板の風刺画などにその傾向が伺えます。また食堂は中世城館風の天井小梁、飾り戸棚、暖炉飾りなど、見ごたえのある意匠を見せています。
西洋風の異国情緒をたっぷり感じさせてくれる風見鶏の館。その建築の美しさと心地よい空間に浸りながら、当時の面影をしのんでみてはいかがでしょうか。


風見鶏の館
・アクセス JR三ノ宮駅下車 北へ徒歩15分
・TEL  078−242−3223
・入館料  大人300円
・営業時間 4月〜11月/9:00〜18:00
      12月〜3月/9:00〜17:00
・定休日  3・6・9・12月の第1火曜日

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