
神戸にはお洒落なカフェやパン屋さんが数多くあります。その中でも、古くから神戸を代表する名店の一つとして全国的に有名な「フロインドリーブ」にはとても深い歴史があるのです。
1914年、初代ハインリッヒ・フロインドリーブ氏は、第一次世界大戦に海兵として従軍していました。戦争が終わり、氏は捕虜として収容所のあった名古屋に留まり、地元パン会社の技師長として迎えられました。
その後、日本人の奥様と結婚された氏は、神戸へと移り、二人でパン屋さんを開業しました。しかし、第二次世界大戦が始まり、神戸の街を焼け野原へと変え、氏のお店もその打撃を免れることはできませんでした。
戦後になって、お店を復興させようと、氏を始めとした従業員たちは、身を粉にして尽力し、1948年、何とか再開を果たす事ができました。
そんな折、戦時中菓子職人の修行でドイツへと渡っていた初代のご子息、フロインドリーブ・世が日本へと帰国しました。氏は店を会社形態へ変更させ、社長に就任するなど辣腕をふるい、ついに復興を遂げることができました。それに献身した二代目の功績は計り知れません。
現在では、二代目のご令嬢であるヘラ・フロインドリーブ─上原氏がオーナーを務められています。
現在のお店の建物は、かつてはユニオン教会という教会でした。現オーナー夫妻が新店の物件を探していた時、たまたまこの教会が取り壊されるということを知りました。実はこの教会は、オーナー夫妻が結婚式を挙げた思い出の場所で、なくなってしまうのを寂しいと感じた夫妻は、築七十年以上にもなるこの教会を買い取り、格調高いベーカリー&カフェとしてオープンさせました。
神戸らしい雰囲気の外観はそのままに、中に入ればかつては礼拝堂だった二階がカフェになっています。こだわりをもったメニューばかりで、『自家製ローストビーフ』を使ったサンドウィッチは、大満足まちがいなしの一品です。
一階は、お菓子・コーヒーショップとなっていて、大人気の焼き菓子『クッキー』や『パイ』があり、中でも絶大な人気を誇るのが、昔ながらのドイツの焼き菓子「大ミミ」です。ブタのミミに似ている事から「ミミ」と呼ばれ、「大ミミ」「小ミミ」、その中くらいの大きさの「スウィートハート」とがあります。
オーナーがお客様の喜ぶ顔を思い浮かべ作られたお菓子やパンは、観光の人にも地元の人にも愛され、ますます歴史を深めていくことでしょう・・・。
取材協力
フロインドリーブ
神戸市中央区生田町4-6-15
Tel:078-222-0700