京都の七口のひとつ「粟田口」で、旅人の守護神として信仰を集める粟田神社。
10月に執り行われる大祭は1000年以上の歴史をもつ神事であり、巡行前夜の「れいけん祭」と「神輿と剣鉾の巡行列」が見所です。
「れいけん祭」は、神仏習合を今に受け継ぎ、祭りの素朴な風情を味わうことができる神事。
粟田神社を出発した「夜渡り行列」が知恩院前の瓜生石の前に到着すると、知恩院の黒門が開かれ、僧職がおごそかに階段を降りて来ます。新しく神霊を迎え入れる儀式が神職・僧職の合同で執り行われると、行列は町内を練り歩いて粟田神社へと帰って行きます。
翌日、「神輿の渡御行列」に先立って町内の清祓いをする「剣鉾」は、祇園祭における山鉾の原形です。 「剣鉾」とは、長さ6〜7mにおよぶ棒に剣先が取り付けられたもので、重さは30〜40kg。 剣鉾を腰につけた差し革で支え、バランスを取りながら練り歩くことを「鉾差し」と呼びますが、一人前になるまで3年前後を要する伝統技能です。粟田神社の大祭では、京都で最大数の6基の剣鉾が練り歩きます。
剣鉾が町内の疫神を鎮めた後に続くのが、神輿の巡行列。
途中、青蓮院門跡の中にはいって神事が行われるため、ここでも神仏習合が受け継がれています。