競馬(くらべうま)が上賀茂神社で行われるようになったのは、1093年まで遡ります。
それまでは、宮中の武徳殿で天下泰平と五穀豊穣を願って行われていました。
長い歴史の中で、兼好法師、足利義満、織田信長などが観覧した記録も残っています。
古式に則り、菖蒲の根合わせなどの儀が行われたあと、舞楽装束をつけた騎手(乗尻:のりじり)が6番勝負で馬を駆ります。
赤い衣装の左方と、黒い衣装の右方の2組に分かれて競いますが、最初の勝負は必ず左側が勝つことになっています。
「昔、宮中で菖蒲の根の太さを賭ける遊びをしていたところ、左側の女官は賀茂の神様にお祈りをし、右側の女官が石清水の神様にお祈りをしました。結果、左側の女官が勝負に勝った」という故事に因んだ神事であるためです。
2番目以降は、真剣勝負。
目の前を馬が駆け抜ける迫力に圧倒されます。
観客はこの勝敗に賭けて、農作物の出来具合を占っていました。左方が勝つと、その年は豊作になると言われています。
競馬とすべての神事が終わった後は、観覧客が乗尻と記念撮影できる時間も設けられています。
最後に、馬場に張られたロープが取り外されます。 これが「埒が明かない」という表現の語源となっています。 「埒と呼ばれるこのロープが取り外されないと、葵祭の準備にかかることができない」ことから転じて、「埒が明く=物事の片がつく」「埒が明かない=事態が進展しない」という意味に使われるようになりました。
上賀茂神社にはお楽しみがいくつかあります。 ニンジンをあげることができる真白な「神馬」、境内で購入できる「馬みくじ」、門前で売られている「焼餅」、鯖煮定食で人気の「今井食堂」など。 賀茂川の散策とあわせて、休日をゆっくり楽しむことができるおすすめの場所です。